2025年春アニメとして放送中の『謎解きはディナーのあとで』。
この作品は、国立署の新米刑事でありながら財閥令嬢でもある宝生麗子と、彼女に仕える執事・影山のコンビが、難事件を解決していくミステリー作品です。
前回の第1話では、学生時代の瑞穂先輩が何者かに襲われる事件が発生。
最後の最後に登場した“謎の執事”影山が推理を手伝うという申し出をして終わりました。
そして今回の第2話では、事件の真相が明らかに。
加えて、国立の大豪邸で発生する新たな殺人事件まで描かれ、前半と後半で全く異なる2つの謎が展開されていきます。
📌この記事は第2話の内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
※筆者は原作未読の視聴者として、本アニメを楽しんでいます。
見どころ①:麗子と影山の連携プレー!アレキサンドライトの秘密に迫る
事件解決のカギとなったのは、アレキサンドライトという宝石の色変化を活かした、影山と麗子の見事な連携プレーでした。
暗闇の中で緑色に浮かび上がった雛子のネックレスが決定的な証拠となります。
- 麗子はわざと転んだフリをして部屋の照明を消し、スマホの光で宝石を照らす
- その暗がりの中で、緑色に光ったネックレスが“アレキサンドライト”だと判明
- 影山は写真から宝石の種類を見抜き、しかも麻衣と雛子が「同じネックレス」をしていたことに注目
- この観察眼の鋭さが、雛子が真相に追い詰められる流れへとつながっていきます
みんなの注目を引くためにスッコロンで見せる麗子
©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

あのタイミングで転ぶって、第1話の転倒シーンで何か伏線が張られていると思ったが違ったみたいだ
視聴者的には影山が推理を主導しているとわかりますが、作中のキャラクターたちから見れば「推理を主導しているのはあくまで麗子」という印象を受ける場面設計も面白いところです。
雛子が「瑞穂先輩と気づけなかった」という点。
これは「同じ上流階級に属していない」という微妙な距離感を象徴しており、事件の根底にある“見えない壁”を感じさせます。
麗子は普段から香織や雛子と友人関係であり、2人の変化には気づきやすい。もちろん、瑞穂先輩とは同じ上流階級なので見知った仲。
しかし、雛子にはそれがない。上流階級との繋がりは友人である麗子と綾華だけである。
見どころ②:雛子が抱えた“秘めた想い”――その真相と涙の理由
暗闇で明らかになった“犯人”の正体は、雛子でした。
しかし本当に注目すべきは、彼女がなぜ瑞穂先輩を襲ったのか――その動機の奥にある「秘めた想い」にあります。
雛子が身につけていたのは、アレキサンドライト。この宝石の持つ意味は「秘めた想い」。
同じ宝石を麻衣と雛子が身につけていたという事実はある可能性を示します――
二人が同じ宝石をしていたことを見逃さなかった影山
©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

雛子が好意を寄せていた相手は、手代木和也ではなく麻衣だったのではないか?
- 麻衣は雛子の夢をはじめて応援してくれた、かけがえのない存在
- その麻衣を振ってお見合いをした和也が許せない
- 第1話を見ていた筆者でさえ、瑞穂と和也が恋人のように見えたのだから、雛子が誤解するのも無理はない
綾華や香織は「雛子は和也に惚れている」と早合点していましたが、実際は「麻衣のことを想っており」誰も彼女の“本当の気持ち”に気づけていなかったのです。
「麗子は恋心に疎い」とからかわれていたけれど、雛子の本当の想いに気づけていた友人はいませんでした。
この構図がとても印象に残っています。
見どころ③:「謎解きはディナーのあとで」――影山の意味深な言葉とは
事件のすべてが明らかになったあと、影山がリムジンの中で語ったひと言――
それが、まさにこの作品のタイトルである「謎解きはディナーのあとで」でした。

確かに後味が悪い謎解きのあとに、ディナーはのどを通らない
──影山は、人の心を傷つける“真実の刃”を扱うことの重みを知っているのかもしれません。(そのわりに毒舌ですが)
なぜ「謎解きはディナーのあと」にするべきなのか持論を語る影山
©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
- 推理が暴くのは、犯罪だけでなく人の“裏の顔”でもある
- だからこそ「後味が悪く」、心を落ち着けてディナーを食べることができない
- 影山自身が料理ができるからこそ、「美味しい状態で味わってほしい」という想いも込められていたように感じた
「謎を解いたあとだと後味が悪かったり―胸がいっぱいで食べられないこともおありでしょう」
──このセリフの奥には、影山のやさしい配慮と皮肉なユーモアが感じられました。
また、雛子の想いに対する影山のセリフも印象的でした。
麗子が「雛子にとって麻衣はただ一人の味方だった」と語る一方で、影山は「それは簡単にひと言で言い表せるとは限らない」と静かに言い返します。
ここには、アレキサンドライトのように、ひとつの光では見えない“もう一つの感情”――
つまり、同性への秘めた恋心をほのめかす配慮が込められていたように思います。

──とはいえ、麗子にはその意味が伝わらなかった様子。
やっぱり「恋心に疎い」説、間違ってなさそうですね…。
タイトルの美しい回収とともに、影山という人物の人間性がかすかに見えてくる場面でした。
そして、「結局どういう経緯で影山が執事になったのか?」とうのが謎のままです。今後、語られていくのでしょうか?
見どころ④:児玉家の後継争い――全員が怪しい動機ありの殺人事件
Bパートでは、ガラッと雰囲気が変わり、本格的な殺人事件が発生します。
被害者は「国立の不動産女王」こと児玉絹江。舞台は彼女の大豪邸。登場する容疑者は児玉家の5人+執事の合計6人。
本格的な殺人事件が発生して、捜査に取り組む風祭と麗子
©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
親族には、遺産相続や会社の跡継ぎをめぐる確執という、いかにも推理小説らしい動機が散りばめられていました。

本格的な推理モノが始まった感じがします
- 長男は後継者として不適格で絹江と揉めていた
- 次男はマルチ商法に手を出し、絹江と険悪な状態
- 長女はホスト狂いで、財産目当て疑惑がある
- 秘書兼運転手の前田も毎日怒鳴られていた過去あり
- さらに甥の謙二郎は会社の金を使い込みがある
誰もが怪しく、誰もが犯人足り得る状況。
そんな中、風祭警部のいつもの“迷走推理”がさく裂し、場は一時カオスに。
しかし、この事情聴取で私が一番違和感があったのは、児玉里美でした。
彼女は「部屋で寝ていた」と証言されていますが、これは逆に「アリバイがない」とも言えます。
しかも、それまで散々、親族同士で「お前が犯人だろ!」と言い合いをしてたはずなのに風祭警部の「つまり―大人全員の誰もが凶器のトロフィーを投げられたと…」という言葉に反応して倒れるのは何かおかしい。

これはもしかすると「実行犯ではなくても、何かを知っている存在」なのかもしれません。
「誰が犯人か」はまだ見えない中で、私が怪しいと感じたのは里美。
絹江事件の真相は次回に持ち越しですが、とうとう本格的な推理モノっぽくなってきました。
まとめ:ディナーのあとに残る“余韻”と“違和感”
アニメ第2話は、雛子事件の解決編と新たな殺人事件の幕開けという二重構成で、見応えのある回でした。
前半では、麗子と影山の連携によって推理劇が展開されました。
- 雛子の“秘めた想い”が、同性への恋心だったこと
- 同性への恋心を友人たちは気づけなかったという点
- 友人同士でありながら、少しずつだが思いの違いを感じさせる切ない終わり方だった
そして後半では、児玉家で起きた新たな殺人事件が描かれます。容疑者は身内ばかり、しかも全員に動機あり。
ですが、私はその中でもアリバイが曖昧な人物――児玉里美の存在が、強く印象に残りました。
「里美が貧血で倒れるタイミング」の違和感、これが印象に残った原因です。

親戚があれだけ言い争ってたのに、そのタイミングで倒れるか?
事件の真相が明かされるのは、次回の第3話。
影山と麗子がどんな推理を見せてくれるのか、今から楽しみです!