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『謎解きはディナーのあとで』アニメ第3話ネタバレ感想|影山が暴いた復讐の真相と少女の恋心

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『謎解きはディナーのあとで』アニメ第3話ネタバレ感想|影山が暴いた復讐の真相と少女の恋心

※本記事には第3話のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください!

アニメ『謎解きはディナーのあとで』第3話では、第2話から続く児玉絹江殺害事件の真相がついに明かされました。

表向きは冷徹な女社長だった絹江、
その遺産をめぐって醜く争う三兄妹、
そして家族に裏切られ、人生を奪われた一人の男――前田。

影山の毒舌と推理が明かしたのは、ただの“犯人当て”ではない、愛と悔いと沈黙のドラマでした。

今回の事件、真相が明かされたあとでさえ、すっきりとは割り切れません。

このブログでは、第3話の見どころを4つのポイントに分けて、筆者の視点でじっくりと振り返っていきます。

※筆者は原作は未読です。

目次

見どころ1:なぜ2階に投げたのか?事件のカギは“投げられない人”

風祭警部と麗子は児玉家で色々な情報を集める。しかし、いつも通り「情報は集まるが犯人は見つけられず」どん詰まりになる。

帰宅した麗子はため息をつきながら夕飯を食べる。しかし事件のことが頭を離れず、影山にぼそっと漏らしてしまう。

最初は「話すのも嫌」と反発するが、影山の丁寧すぎる煽り(?)に押され、ついに事件の全容を語り始める。

その直後、影山は開口一番こう言い放つ。

影山「チャンチャラおかしくて横っ腹が痛うございます」

影山「チャンチャラおかしくて横っ腹が痛うございます」

「アホ」という言葉以外で毒舌を吐く影山。

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

この一言で場の空気は一変。麗子の推理は完全否定され、影山の“毒舌と論理の時間”が始まる。

  • 凶器が2階に投げ込まれていたのは、犯行時刻を偽装するためではない
  • 目的はむしろ、「2階に投げられない人物=犯人ではない」と思わせること
  • つまり、児玉悟朗を“容疑者から外す”ための逆アリバイ工作だった

しかも、それを信じ切っていたのは大人ではなく、少女・里美だった。

影山「13歳の少女は、“肩を壊した”という言葉をそのまま受け取っていたのではないでしょうか」

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

少女の純粋さが、皮肉にも悟朗をかばう動機となってしまった。

なかやす

「肩を壊した=まったく投げられない」と思ってしまう13歳がいるというのはちょっと強引に感じた。

一方で、事件の説明を口頭で聞いただけでここまで完璧な推理をしてしまう影山の分析力は、さすがに「盛りすぎでは…」とツッコミを入れたくなった。

注目したポイント

アリバイ工作が逆に犯人が誰かを推理しやすくしてしまうという面白いシーンだった。

里美は真犯人ではなかったが「真犯人が悟朗に罪を擦り付けようとしていた」という重要な情報は得られた。

見どころ2:“かばう少女”里美の恋心

凶器の行方やトロフィーの投擲に関する謎が解けた後、事件の背景に見え隠れしてきたのは少女・里美の行動だった。

影山の推理によれば、彼女はダイイングメッセージを目撃してしまった。そしてその犯人が“悟朗”だと思い、とっさにダイイングメッセージを拭き取ってしまったというのだ。

なかやす

恋心もあってか、とっさにしてしまったんだろうなぁ…

少女が誰かを“かばう”行為には、必ずしも論理や計算はない。ただ「信じたい」「守りたい」と思った瞬間に、体が動いてしまったのだろう。

そして、彼女がとった“逆アリバイ工作”の手口もまた興味深い。トロフィーにひもを通して3階から2階の部屋へ“振り子”のように投げ込む──という斜め上の発想。

  • 比較的現実的なトリックで実行はできそう
  • ただし、血痕の処理やひもの痕跡は、鑑識が調べればバレるのは時間の問題
  • だからこそ、真犯人は面倒ごとが起こる前に殺しに来たのだろう

さらに、影山は「里美が悟朗をかばった理由」を“ほのかな恋心”と読み解く。

なかやす

たしかに、甲子園を目指していた頃の悟朗はスポーツもできてかっこよかったのだろう

あの待ち受け画面、そして言葉に表れた「甲子園の悟朗お兄ちゃん。すっごくかっこよかったの」という言葉には、憧れと親しみがあった。

だが、それをまったく理解できない人物が一人。そう、麗子である

麗子「……そうなの?」(ぽかーん)

麗子「……そうなの?」(ぽかーん)

影山に丁寧に里美の恋心について説明されてやっと理解する麗子

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

恋愛に対して、あまりに疎い麗子の“ずれた反応”が、会話のテンポに変化を加える。

なかやす

そういう意味では、麗子の“恋愛オンチっぷり”も物語の彩りなのかもしれない

見どころ3:前田が犯人である論理とは?“夕食の騒動”が導いた答え

影山が明かしたのは、事件を解く最大のカギが「消されたダイイングメッセージ」にあるということだった。

そして、それを拭き取ったのは他でもない、犯人ではなく少女・里美

その理由はすでに明かされた通り、悟朗をかばうため――つまり彼女にとっての“好きな人”を守ろうとした、無垢な行動だった。

だが、物語が一段階深くなるのはここから。

影山はこう指摘する:

「犯人はダイイングメッセージを“ゴロー”と残したのでございます」

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

もっと殺人の濡れ衣を着せるのに適した「和夫」がいたはずなのに、なぜ「ゴロー」なのか?

そこで影山はある事実を突きつける。

影山「夕食時 離れにいて和夫と絹江の騒動を知らなかった、前田敏明なのでございます」

影山「夕食時 離れにいて和夫と絹江の騒動を知らなかった、前田敏明なのでございます」

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

この論理が導くのは、夕食の場にいなかった前田だった。

とはいえ、筆者としては少し違和感もあった。

なかやす

それだけで犯人にするのは弱い。あくまで“状況証拠”にすぎないのでは?

だからこそ、影山たちはあえて前田を“実際に里美の部屋へ誘き寄せ”、犯行の決定的瞬間を押さえたのだ。

この補強があって初めて、「言い逃れができない状況」を作ることに成功している。

なかやす

口頭で詰めたところで「それだけで犯人扱いされても困りますね」とシラを切られるのがオチだった。

こうした流れから見ても、事件の解決には“物証と状況証拠の合わせ技”が必要だったとわかる。

見どころ4:真犯人の動機と“1985”に託された遺志

事件の黒幕は、児玉家の運転手であり絹江の秘書でもあった前田だった。
だがその動機は、ただの野心や恨みではなかった。

彼が語ったのは、“前田理髪店”という家族の象徴を児玉絹江に奪われた過去
それによって父は過労で事故を起こし、母も後を追うように亡くなったという。

なかやす

生まれた育った場所と両親を奪われたのだから同情の余地はある

しかも、犯行のきっかけとなったのは、絹江から「父親を馬鹿にされた挙げ句、クビにされた」ことだった。

そのとき彼は、過去の傷が再びえぐられるような思いだったのかもしれない。

しかしここで物語はもう一つの面を見せる。

遺影に使われる予定の生前、絹江社長が気に入っていた写真。だがそれは、かつて前田理髪店があった場所で撮影されたものだった。

さらに、老人ホームの建物のプレートには1985年の文字が――。

謎解きはディナーのあとで アニメ 第3話 絹江社長が気に入っていた写真に映り込む「1985」の文字。

絹江社長が気に入っていた写真に映り込む「1985」の文字。

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会
  • この数字が、かつて絹江が奪ったものの象徴であり
  • 同時に、彼女が“前田に返そうとした最後の気持ち”でもあった
なかやす

絹江は後ろめたさを感じていたのに、それを生前はお首にも出さなかった

その静かな“贖罪”が、胸に迫る。

とはいえ、彼女の冷酷な言動が結果的に生んだのは、育たなかった後継者たちと、復讐に走った前田という“家族崩壊の連鎖”だった。

なかやす

絹江の愛情の深さは知れたが、その代償が大きすぎた

第3話まとめ|“推理”の先に残るのは、言葉にできなかった想い

第3話では、前回に続いて児玉家殺人事件の真相が明かされた。

風祭と麗子が奔走してもなお真犯人はつかめず、ようやく動いたのは、いつものあのセリフからだった。

謎解きはディナーのあとで アニメ 第3話 「謎解きはディナーのあとで」

「謎解きはディナーのあとで」

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

影山の推理によって明かされたのは、少女の恋心と、犯人の後悔、そして絹江の“見せなかった愛情”だった。

  • 毒舌とユーモアで掻き乱す影山が、事件の“論理的な盲点”を的確に暴いた。
  • 悟朗をかばった里美の行動に、年頃の少女らしい切なさと衝動がにじんだ。
  • 前田の復讐の背景には、奪われた家族の記憶と苦しみがあった。
  • 絹江が家族へ残した想いは、生前には伝わることなく、静かに封印されていた。

「昔は仲が良かったのにな…」

©東川篤哉/小学館/「謎解きはディナーのあとで」製作委員会

事件は解決しても、この家族に“救い”はなかったのかもしれない。

むしろ、復讐心に燃えていた前田の方が、最も“後継者に近い男”だったという皮肉だけが残る。

ラスト、影山と麗子がリムジンの中でかわす会話がその余韻をまとめあげる。

──まさに、ディナーを食べたくても喉を通らないような苦味の残る一話だった。

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