※本記事には『片田舎のおっさん、剣聖になる』第3話のネタバレが含まれています。まだご視聴されていない方はご注意ください。
第3話では、魔法師団長・ルーシーとの圧倒的バトルからスタートし、スレナとの再会、模擬戦、新人研修、そして強敵ゼノ・グレイブルの襲撃と、見どころがぎっしりと詰め込まれた回となりました。
特に弟子スレナのおかげでベリルの行動範囲が増えるというのが、今後物語を広げていく上で重要なイベントだったとなるでしょう。
今回は、そんな第3話の注目ポイントを4つに分けて、筆者の視点でじっくりと振り返っていきます。
※以下で使用される台詞、画像の引用元は「©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ/SQUARE ENIX・「片田舎のおっさん、剣聖になる」製作委員会」である。長いので「©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ」と短くしています。
見どころ1:ベリル vs ルーシー|片田舎の剣聖、魔法師団長の猛攻をどうしのぐ?
第3話の冒頭から、まさかの一騎打ちが始まりました。
相手はレベリス王国魔法師団の団長・ルーシー・ダイヤモンド。
少女のような外見とは裏腹に、放たれる魔法は本物。それどころか、即死級の大技まで飛び出します。
ルーシー「試してみたいのよ。強者を相手にな」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ
と語るルーシーの言葉通り、炎・氷・雷と次々と襲いかかる魔法の猛攻。
- 初手の炎魔法で牽制
- 氷魔法を剣で切り払うベリル
- 相殺によって発生した煙の中での攻防
- 極めつけは、圧倒的威力の“黒いオーラ”をまとった魔法
ここで印象深いのは、魔術師と戦った経験がまったくないベリルが、魔術師のトップと互角に渡り合っていること。
攻撃を完全に捌ききれたわけではありませんが、直感と経験で「これは食らったら終わる」と即死級の技を察知する洞察力を見せます。

こんな理不尽な勝負を仕掛けられてるのに、「峰打ちで気絶させる」って…どんだけ優しいんですか。
これこそ、まさに「片田舎のおっさん」の器の大きさ。
しかも極めつけは、ベリルが語るこの一言。
ベリル「年食った親父にすら勝ったことないんだよ?」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ

本当に?いやいや、今の戦いを見る限り、その“親父”どれだけ強いんですかと、別の意味で気になります。
見どころ2:先生、冒険者研修をお願いします!|ギルド依頼とメイゲンからの試練
魔法師団長ルーシーとの壮絶な戦いが終わったと思いきや、今度は冒険者ギルドからの「新人研修の依頼」という新たなミッションがベリルの元に舞い込みます。
しかも持ってきたのは、スレナ・リサンデラ。かつてベリルに命を救われ、剣を教わった過去を持つ弟子の一人です。
この流れでベリルはしぶしぶ冒険者ギルドへ同行。するとそこには、紅茶片手にくつろぐルーシーの姿。

いや、自分の家みたいな顔でいるけど?
一見ふざけたキャラに見えて、しっかりベリルを推薦しているのがポイント。
前回のバトルで彼の実力を認めたからこそ、バックアップ役としても信頼を置いてくれているのだとわかります。
ここで登場するのが、ギルド補佐のメイゲン。
彼はベリルの過去の冒険者としての実績が皆無であることを指摘し、こう言い放ちます。
メイゲン「ブラックランクと魔法師団長の推薦があったとしても、素人を同行させるのはどうかと」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ
この言葉は、極めて妥当。むしろ、誰もが推薦だけで納得してしまう方が不自然です。
筆者としても、
- 第1話でアリューシアが「剣聖」として知られていると言っていたのは盛っていた可能性あり
- 一般的にはベリルの名前はそこまで有名ではない(田舎の道場師範)
…という前提を踏まえると、メイゲンの発言は非常に真っ当でした。
そして最後に、メイゲンがこうも言います。
メイゲン「昨今 モンスターの不自然な動向も報告されておりますので」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ
この一言、ただの補足に思えるかもしれませんが…実は次回以降の展開を示唆する重大な伏線だったのでしょう。(第3話終盤で、それが現実になる…)
ベリルの人望と過去の弟子たちとの絆が光る一方、「実績がなければ信用されない」という現実も描かれる。
一見地味な流れですが、次の模擬戦・研修・モンスター異変への丁寧な橋渡しとなる回でした。
見どころ3:教え子からの挑戦|スレナ20年越しの想いと剣がぶつかる瞬間
スレナ・リサンデラとベリルの模擬戦。かつての弟子と戦うのはこれが初めてとなる。
戦いの前にスレナの紹介も兼ねた、過去回想が始まる。
モンスターの襲撃で両親を亡くし、川岸で倒れていた幼いスレナを救ったのが、当時のベリル。
ベリルの家で心を癒し、徐々に笑顔を取り戻していく姿には、ベリルやその両親の温かさが滲み出ていました。
- ベリルは当時から毎朝素振りをしていた(第1話とつながる)
- 木剣を手渡すシーンで、「やってみる?」という言葉に救われたスレナ
- 引き取られていく別れのシーンで涙をこらえる姿
スレナ「ずっといたかった。でも これ以上を望むのはわがままが過ぎる。」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ
その切なさが、彼女の原動力になったのかもしれません。
スレナの剣には、憧れ、感謝、そして確認の気持ちが詰まっていました。
- 強くなった自分を先生に見てほしい
- 子どもの頃はわからなかった「先生の強さ」に今こそ触れたい

そして、スレナはルーシーと同じで「自分の強さを強者相手に試してみたかった」のかもしれません。
スレナの連撃を捌きながらも、一切の手抜きはせずに正面から立ち向かうベリル。
- 両手剣の片方の手元を叩いて剣を落とさせる
- 無理に攻めてきたスレナの足を狙って体勢を崩す
相手の弱点を見抜き、それを突くだけの技量があることを示す。素晴らしい戦闘シーンでした。
無理に攻めてきたスレナの体勢を崩すのも「相手の弱点を突く」というのをとっさに実行していました。
見どころ4:モンスター急襲!新人研修ダンジョンで見えた異常事態とは?
新人冒険者たちとともに潜るダンジョン――ベリルにとっても久しぶりのダンジョン探索となります。
今回の研修対象は以下の3名:
- ポルタ(ブロンズ)
- ニドリー(ブロンズ)
- サリカッツ(シルバー)
しかも、ブラックランクのスレナとその師匠であるベリルが同行するという、異例の研修。
新人冒険者たちの挨拶のぎこちなさから緊張感が伝わってきます。

そりゃ緊張もするよね…
探索開始からしばらく、目立った危険もなく、モンスターも比較的少数。
しかしここで、スレナがつぶやきます。
スレナ「妙に少なかったですね。モンスターが。」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ
この何気ないセリフが、まさに恐怖の始まり。「何かがおかしい」と気づいた時には、すでに遅かったのです。
ダンジョンを出ようとした瞬間、特別討伐指定個体「ゼノ・グレイブル」が突如出現。
ゼノ・グレイブルに応戦するスレナとベリル
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ
サリカッツがつけていた魔装具が砕けるという異変も、前兆だったのかもしれません。
- スレナも異変に気づいていたが、強力なモンスターがいるとまではたどり着けず
- ベリルも「伏せろ!」と叫ぶが、一歩遅かった
- ポルタはふっ飛ばされ、瀕死に…

ポルタのちょっとした油断が命取りになります
思い出されるのはメイゲンのセリフです。ギルドで口にした一言ともつながっています。
メイゲン「昨今 モンスターの不自然な動向も報告されておりますので」
©佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ
今後、この問題を解決するためにベリルが駆り出される日が来るかもしれません。
第3話まとめ:師弟の絆、重なる因縁、そして迫る脅威
第3話「片田舎のおっさん、猛攻を凌ぐ」は、元弟子やルーシーに信頼されて徐々に活動の幅を広げていくという回でした。
- 魔法師団長ルーシーとの一騎打ちでは、剣聖としての技術と直感力を
- スレナの依頼から冒険者ギルドへと繋がる導線では、人望と信頼を
- そして模擬戦では、教え子への敬意と本気の応答を
ベリルに救われたスレナが成長し、大きな実績を手に入れたことで、ベリルは「新人冒険者の研修」をするという立場を手に入れます。
元弟子・アリューシアが切り開いた「ベリルの活躍の場」ですが、それが連鎖して良い方向に向かっています。

ベリル本人は大変そうですが…