『俺だけレベルアップな件』最終回179話の見どころ・ネタバレ
1.地球に戻ってくる水篠旬
地球では2年が経過しており、ノーマ・セルナが有名な予言者になっていた。セルナ夫人は「死の神がまもなくこの地に降り立つ」と予言し、実際にゲートが出現して皆を驚かせる。
ゲートから何も出てこないと皆が反応する中、水篠旬はひっそりと中学生の姿で地球に戻ってくる。支配者の使者が人間の姿で旬を出迎えて花束を渡す。
支配者の使者は水篠旬を労いつつも、旬の力が強すぎてこの世界に影響を与えかねないと懸念する。そこで使者は旬の力に見合った世界に案内すると提案するのだが、旬は即答は避けて会話が終了する。
© Kakao piccoma Corp.:君主たちを全て倒し地球に帰還した水篠旬に支配者の使者から花束を渡される
27年間、次元の狭間に居た水篠旬だったが、違和感のないように中学生の姿で地球に戻ってくる。ある意味、この時点で「家族の元に帰る」という意思が水篠旬からうかがえる。
旬は強すぎる力を手に入れてしまったがために、地球に居てはいけない存在になったのかもしれない。しかし、旬の力は支配者たちでも制御できるかわからないので、機嫌を損ねる訳にはいけないことが察せられる。
2.水篠旬の存在目的
使者が帰った後、一人になった水篠旬は自分の存在目的について考える。影の君主として他の君主たちを全て倒した旬は存在目的を達成したと言える。では、旬はもう不要な存在なのだろうか?
しかし、旬は「ここには大切な人達がいる、俺を大切に思ってくれる人たちがいる」それが存在していい理由になるという考えにたどり着く。
「ここに残り、ここに残るべき理由を探していこう」と気持ちを固めた水篠旬は、新しい生活に向けて一歩前にあるき出すのであった。
これにて『俺だけレベルアップな件』本編は完結となる。全てが無かったことになり、みんな水篠旬のことを覚えていない世界で、どうやって水篠旬が生きて行くのかという指針を決めて終了となる。
旬が前向きな気持ちで足を踏み出せたのは向坂雫との「もう一度必ず会いましょう」という約束のおかげだろう。最終決戦前のあの電話が、世界を救った後の水篠旬への救済になっているのは良い伏線であった。
『俺だけレベルアップな件』最終回179話の感想・考察。
竜帝との決着を付けて全てが終わるという普通のエンディングを予想をしてた自分だったが、『時間を巻き戻して全て無かったことにする』というのは予想外の展開であった。
時間を巻き戻すという『輪廻の杯』が登場した時点でこの伏線は張られていたわけだ。旬が作品を通じて、ほどんと一人で戦い続けていたというのも、このエンディングに向けての舞台設定だったのかもしれない。(仲間が多すぎるとこのエンディングは採用しづらい)
特に終盤は人間とのコミュニケーションが極端に少なくなっており、諸菱賢太などとも話しているシーンがなくなっていた。終盤、人間と話しているのは向坂雫、父親、犬飼会長ぐらいなものだろう。
平和になった世界の後の水篠旬も見てみたいものである。実際、外伝が描かれているわけだが、平和な世界で主人公が無敵な存在というのは、ある意味「なろう系」と言われる作品の最序盤の設定なので描くことは可能なわけだ。
ピッコマ作品の中でも屈指の人気作だけあって、終始楽しく読ませていただいた。アニメ化なども予定されているらしく楽しみである。(戦闘シーンなどは縦読みの漫画よりもアニメの方が断然映えるだろう)