※本記事は『LAZARUS ラザロ』アニメ第2話の内容を含むネタバレ感想です。未視聴の方はご注意ください。
ノーベル賞を3度受賞し、「世界を救う薬」とまで称された万能鎮痛剤・ハプナ。
しかし、その真実が明かされた今、世界はカウントダウンに突入します。
第1話でチーム“ラザロ”に加わることとなった脱獄犯・アクセル。
第2話では、その彼を中心に、リングによる拘束と新チームの始動、そして初めての本格的な捜査任務が描かれました。
今回は、4つのポイントから第2話の見どころを深掘りしていきます。
見どころ1:「リング」による拘束と、脅し返しの一幕
第2話の冒頭、目を覚ましたアクセルの左手首には、黒いバンドのようなものが巻かれていました。
これは「リング」と呼ばれる拘束装置で、ラザロの指揮官ハーシュがメンバー全員に装着させているものです。
アクセルはこの状況に対し、銃を奪いクリスティンを人質に取るという強硬手段に出ます。
一瞬の隙を突いてクリスティンを人質に取るアクセル
©2024 The Cartoon Network, Inc.
- 「脅迫には脅迫で返すぜ」とハーシュを睨みつけるアクセル
- しかしハーシュは「同じ手は食わないわ」と、リングの電撃機能を発動
- アクセルは衝撃で銃を落とし、クリスティンも解放されてしまう
この一連のやりとりにおいて、アクセルの「自由への執着」が見て取れます。

彼は一貫して「自由」を求めている感じがします。脱獄を繰り返すという経歴も納得です。
おそらくアクセルにとって、拘束=死なのかもしれません。
たとえ無理筋でも、わずかな「隙」を突いて自由を目指す。そんな彼の姿勢が見えます。
一方で、ハーシュの対応も冷徹かつ徹底しており、制裁と抑止がセットになった「リング」の存在は、悪役が使うような装置です。
- 外せば腕が溶ける
- ハーシュの身に何かあっても自動発動
- 逃げ道はほぼゼロ

言うことを聞かせるには、これ以上ない仕組みですね…
とはいえ、結局ハプナで30日後に死ぬなら…手伝った方が得かも?
そんな気持ちすら湧いてくるのが恐ろしいところです。
リングは、チーム「ラザロ」全員に付けられています。他のメンバーも多かれ少なかれ「言うことを聞かされている」感じがありました。
この装置の存在によって、ラザロは「チーム」でありながらも、お互いに信頼しあってはいないという組織だと思われます。
見どころ2:廃墟を拠点にした新チーム始動と、それぞれの“過去”
ラザロの活動拠点はアクセルが捕らえられて連れてこられた「ボロボロの廃墟」だった。しかし、これはただの廃墟ではありません。
- 外部から投げ込まれた石が、自動防衛システムで迎撃される
- 出入りには「毛細血管スキャン」がある
- 中には高度な通信設備やプロジェクターも完備

見た目は廃墟、実際は要塞。まさに理想的な隠れ家です。
近づく者を避けさせ、万が一入ってきても突破できない構造ですね。
そんな中、ダグがアクセルに対して正面からこう告げます。
ダグ「お前が入るのには反対だった」
アクセルを案内しながら文句を言うダグ
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これは、ダグの本音であり、チーム内の信頼関係に微妙な温度差があることを示しています。

ダグはどちらかというと「ハーシュ側の人間」ですね。実際に進言できる立場のようですし、現場のリーダー格でもあります。
とはいえ、彼自身もまた「リングを付けられる立場」にあります。そんなダグにも後ろ暗い過去があることが、リーランドとの会話から浮かび上がります。
つまり、チームの誰一人として完全な自由意志で参加していないのです。
そんな彼らが囲む会話の中で、アクセルが問いかけます。
アクセル「この中でハプナを使ったやつはいるか?」
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答えは、5人全員が挙手。この事実には軽い驚きがありました。

アクセルだけは使ってないのかと思っていたのですが…とはいえ、「本当に正直に手を挙げたのか?」と疑ってしまう自分もいます
さらにここでは、スキナー博士に関する情報も明かされていきます。
- 天涯孤独の身
- アインシュタイン以来の天才と称され
- ノーベル賞を3度受賞
- 格差解消運動・環境活動に尽力
- まるで聖人のような人物
そんな人間が突然消え、今や人類の敵として認識されるというギャップもまた、この作品の魅力です。
まさに聖人に見放された人類という感じがします。
見どころ3:赤と青の車が向かう二手調査、それぞれの危機
第2話の中盤、ラザロは赤い車と青い車の2チームに分かれて調査に出発します。
アクセルとクリスティンは「アリゾナ州のシェルター」へ、ダグとリーランドは「コバヤシ・シェルター販売会社」へと向かいます。
しかし、どちらも想定外の展開が待ち受けていました。
赤チーム:アクセル&クリスティン
シェルターに到着した二人を待っていたのは、無人と思いきや複数勢力入り乱れる銃撃戦。
- ロシア語を話す謎の集団
- メキシコ系アメリカ人のチカーノ勢力
- そして突如現れるFBIとDEA

最初は「スキナー博士の罠」かと思いました…わざと複数の勢力を誘導し、同士討ちさせるつもりだったのかと…
アクセルのパルクール的な動きと、クリスティンの射撃テクが光る中、シェルターの内部では「スキナーらしき人物」が発見されますが――結果は全員の空振り。
FBI、DEA、ロシア人、チカーノ、全員が同じように“釣られて”いたのです。
青チーム:ダグ&リーランド
一方で、青チームが訪れた「コバヤシ・シェルター販売会社」では、ギャグのような展開が待っていました。
- 登場する取り立て屋A「コバヤシを出せ!」
- さらに登場する取り立て屋B「俺もコバヤシを探してる!」
- ダグをあまりの予想外の展開に呆れてしまう

ギャグ展開ではありましたが、これは「スキナー捜索の困難さ」も示していたとも思います。
簡単に見つかる情報では、ギャグみたいな展開しか待ってないぞ?という警告のような展開でした。
懲役888年という驚異の刑期
赤チーム移動中のやり取りでは、アクセルの過去が暴かれます。
- 懲役888年という驚異の刑期
- 驚きのあまり銃を向けるクリスティン
- 「脱獄が趣味だった」と明かすアクセル
アクセルの刑期を聞いて連続殺人鬼だと思って銃を向けるクリスティン
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クリスティンの反応は普通です。888年とか、もう殺人鬼レベルの数字ですからね。
ただ、それでも脱獄を繰り返したアクセルの異常性も際立ちました。
このシーンでは、キャラクターの掛け合いによるテンポ感あるコメディ要素が挿入され、重苦しくなりすぎないバランスが保たれています。
見どころ4:正体不明の勢力・偽スキナー・10万人の顔一致
ラザロがようやく辿り着いた「椅子に座る謎の男」。
周囲には銃を構えたままのFBI、DEA、ロシア人、チカーノたち…まるで最終決戦のような緊迫感が漂っていました。しかし、その男が正体を明かした瞬間、空気が一変します。
- 「すみません!やる気がなくて!ちゃんと返すつもりだったんですぅ!」
- 「殺さないでー!」とアクセルに泣きつく
- DNA鑑定の結果、スキナーではなかった
スキナー博士ではないというDNA結果を聞いて落胆する各々の陣営
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あの空気の抜けっぷり、全員が一斉に落胆する姿が印象的でした。逆に言えば「それだけの勢力が簡単に入手できる情報」だったとも言えます。
そして「10万人のスキナー」
その後、エレイナが世界中の監視カメラを検索し、スキナー博士の顔認証を行ったところ――ヒット数は、なんと10万人超え

顔認証で簡単に見つかったら物語が終わってしまいますよね。スキナー博士は最初から、その手の追跡を想定して対策していたのでしょう。
この展開で「テクノロジーを使っても簡単には見つけられない」ことが明確に提示されます。
これは、視聴者にも「そう簡単に解決する物語ではない」と釘を刺す描写でもあります。
スキナー博士の正体は、いまだ霧の中
今回の展開では、スキナー本人は姿を現さず。ただし、彼の仕掛けた「罠」の重みは着実に増しているように感じます。

「人生やり直そう!」と前向きになったコバヤシも、結局はハプナのカウントダウンから逃れられない。
これはやるせないですね…
希望を持った矢先に「手遅れ」を突きつける構成は、強い虚無感を与えるための演出でしょう。
まとめ:信頼なきチーム…第2話で深まる混迷
第2話は、アクセルを含めた5人が「本格的にラザロとして動き出すエピソード」でした。
しかし、その始まりは決して「協力」という美しい言葉では語れません。
- 全員が「リング」によって強制参加
- 目的は一致しているが、信頼関係は希薄

これは、ただの「チームもの」ではない。背中を預けるには、まだ遠い。
第3話のサブタイトルは「Long Way From Home」。
この言葉通り、彼らの旅はまだまだ「帰れない場所」から始まっているようです。